Q、財産が残っていない場合の遺産協議はどうすれば良いですか?
我が家では父が生前に自営業を営んでいたのですが不景気の影響もあり、多額の借金を抱えるような状態となってしまったために、最終的には会社をたたみ自己破産をした状態でした。
その後父が病気になり亡くなったので家にはは財産と言うものが特に残されていません。
その状態でも遺産協議というのは行っていかなくてはならないのでしょうか?
相続人となるのは母と私、それから妹がいるので、この妹も相続人になると思うのですが、財産が残されていない以上、遺産分割協議において話し合いをすることが何もありません。
このような場合には協議はどのように進めていけばよいのでしょうか?
財産が残っていればそれぞれの取り分などをしっかり分けることもできるのですが、財産が残っていないので取り分はなく協議などをしても話す内容さえありません。
周囲の人からこれまで聞いてきた話だと、遺産相続問題について分割協議を行った後は公正証書に残す良いなどと言うものですが、我が家には財産が残っていないので、この個性証書というものもどのようにして残したら良いのかがわかりません。
財産は何もなかったということで公正証書を残すべきなのでしょうか?
また財産そのものが残っていない状態でも相続税というものは支払わなくてはならないのでしょうか?
わからないことがたくさんあり、本当に困っています。
A、財産が残っていなければ協議をする必要性がありません。
遺産分割協議というのはあくまでも財産が残っている状態で相続人が複数いるといった場合に行うものとなっています。
それぞれの相続人がどれだけの相続を受け取るのかについてもしっかり話し合うものとなっていますが、財産が残っていないのであればここでの協議をする必要はありません。
また公正証書に関しても特に分割するものがなく、法定相続人となっているのがお母様と質問者様、そして妹さんだけだということであれば、この3人が十分納得した上で財産がないとも把握していれば、わざわざ公正証書を作る必要もないといえるでしょう。
ただし被相続人となるお父様が亡くなった後、保険会社などから保険金の支払いが行われるようであれば、ここで支払われる保険金についてを相続協議の対象として3人で話し合う事も可能になっています。
保険金の受取人が誰になっているかによっても協議をするかしないかは変わってくるのですが、例えば保険金の受け取りがお母様になっていて、妹さんがこの保険金の一部でも良いので、財産として分けて欲しいと言う状態であれば分割協議を行いお母様と妹さんの取り分についてをしっかり決めておかなくてはなりません。
保険金だけではなく、そのほかにも株の配当金などが後になって支払われることがありますので、こういった部分についてもどのように扱っていくのか3人で話し合いましょう。
もちろん保険金の支払いなどもなく株なども被相続人が所持していなければ協議をする必要がありません。
また保険金の扱いに関しても、受取人となっているお母様がすべて受け取ることにお子様が納得していれば、ここでも協議をする必要はありませんから、公正証書に残すこともないでしょう。
あくまでも分割協議を行った上で、公正証書を残すのは、相続人が複数いるケースであり、なおかつ複数人で財産そのものを分割する場合となっています。
相続人同士の中でしっかり納得した上で財産分割が行えたり、その他にも事実のとおり財産そのものがないということを把握していれば、これ以上話し合うこともなく、公正証書を残す必要はありませんので、そこまで神経質にならず財産がなかったということで今後も気にせず生活をしていくのが1番でしょう。